講座用にGPTs・Gemsの代わりを選ぶなら、受講生の入口、教材の渡し方、更新、利用枠の管理を揃えて比較するのが出発点です。現在の環境で目的を満たせるなら、使い続ける選択もあります。
僕はAIの学校 AI Crewで会員向けGPTを作り、その後、AIチャットつくーるを開発しました。この記事では、その制作・運用で考えたことをもとに、講座運営者や個人事業主の講師が専用AIを選ぶ手順を説明します。自社サービスを含む比較です。公式情報と当サービスの仕様の確認日は2026年9月11日です。
講座で渡したかったのは、次へ進むための手がかり
会員サイトに用意した「AIを触る前の要件定義」では、7問に答えると、困りごと、解決後の状態、次に作るもの、作るためのプロンプトが揃うように設計しました。3問目で途中整理、7問目で成果物を渡します。
2026年8月31日のAI週報でも、このGPTを使った感想を寄せてほしいと伝えています。GPTを配布できたことに加え、受講生が使い、次の作業へ進めることを確かめたいからです。
もう一つ、8月23日のDiscordでは、業務可視化GPTの指示に古いツールの前提が残っていたことを報告しました。長く使えるつもりで作っても、教材や実行環境が変われば見直しが要ります。
こうした経験から、講座用AIを選ぶときは「作れるか」に加え、「受講生が使い始められるか」「講師が更新を続けられるか」を判断軸にしています。AIチャットつくーるを作った最初の24時間には、開発の経緯も残しました。これは導入効果や他製品との性能差を測定した記録ではありません。
最初に、AIが必要な場面を一つ決める
「質問対応を減らしたい」だけでは、何を作るかが決まりません。質問が来る場面と、答えを受け取った人の次の行動まで書きます。次は説明用の例です。
| 受講生が困る場面 | AIに任せること | 人に残すこと |
|---|---|---|
| 教材の用語が分からない | 教材の根拠を示して説明する | 教材自体の修正判断 |
| 課題をどこから直すか決められない | 渡された基準に沿って修正候補を出す | 最終評価、個別事情への対応 |
| 自分の状況を整理できない | 順番に聞き取り、本人に確認してまとめる | 重要な意思決定 |
一つのFAQを分かりやすい場所へ置けば解決するなら、まずそれで十分です。質問の前提や理解度に応じて説明を変えたい場合に、会話できるAIを検討します。
使えない症状への対応が先なら、GPTsの確認手順・Gemの確認手順へ進んでください。一時的な問題だけで移行を決める必要はありません。
GPTs・Gem・AIチャットつくーるを講座の条件で比較する
| 判断する軸 | 講座で確かめること |
|---|---|
| 受講生の入口 | 必要な登録・契約と、質問を始めるまでの手順 |
| 教材の見せ方 | 指示・ファイルを直接渡してよいか |
| 更新と連携 | 教材を直す人、引き続き必要な接続先 |
| 利用枠 | 費用を誰が負担し、上限で止まったらどう案内するか |
GPTsでは、現在の契約と作成・共有権限を確認します。組織では管理者による制御があり、受講生に見える範囲や利用上限も確認対象です。今の環境で必要な共有と連携が動くなら、継続利用を検討できます。OpenAI公式の共有ガイド
GeminiのGemでは、アカウントと組織の共有条件、資料や接続先との組み合わせを確認します。共有相手は指示・アップロードファイルを閲覧できます。有料プランなしでもGemsは利用対象ですが、使用量には上限があります。Google公式の共有ガイド・使用量上限の案内
AIチャットつくーるは、APIキーを用意せず作成でき、共有相手は登録・ログインして利用を追加します。作成者が設定・資料を管理し、利用枠はその人のAIと利用者全体で共有します。共有利用者に設定・ナレッジの直接閲覧や編集画面を提供しません。GPTsのActionsやGemini側の連携をそのまま移す機能はありません。
GPTsの個人向け全プランの作成可否・料金は、ここでは確定していません。また、Gemを会員へ配布した実測比較でもありません。
ファイルを直接見せることが教材の目的に合うなら、Gemの共有方式も選択肢です。講師が設定を管理し、受講生には質問する画面を渡したいなら、AIチャットつくーるを試す理由になります。ただし、設定の閲覧画面がなくても、回答を通じて教材や指示の内容が伝わる可能性はあります。 相手へ伝えてよい情報で作ることは、どの方式でも必要です。
使いたい画面や仕事の流れまで自分で決めたいなら、AIと一緒にアプリをつくる選択肢もあります。AIチャットつくーるのようなアプリを自分でもつくれるようになりたい方は、AI Crewで、Claude Code・Codexを使ったアプリづくりを学べます。
教材1本でAIを試作する
ここからは、AIチャットつくーるで試作する場合の手順です。会員サイトを丸ごと取り込む前に、一つの章を使って、講師自身が答えの良し悪しを判断できる範囲で始めます。
- 受講生の到達点を書く。 例えば「第1章の用語を理解し、練習問題に戻れる」。答えない範囲と、人へ戻す場面も決めます。
- 教材1本を整える。 自分が利用できる元資料から、対象者に渡してよい説明だけを取り出します。動画は確認済みの文字起こしを用意します。ナレッジのつくり方に、資料整理用の指示文があります。
- AIを作り、指示と教材を設定する。 講座用の指示テンプレートを、自分の到達点と教材に合わせて書き換えます。単にファイル名を書くだけでは、その資料を参照できません。
- 三種類の質問を試す。 教材に答えがある質問、ない質問、前提が足りない質問で、回答と参照先を読みます。教材にない料金や条件を作っていないかも確かめます。
- 利用者の入口を通す。 作成者ではない利用者として、案内から共有リンクを開き、登録・ログイン、AIの利用追加、質問まで進めます。用途と最初の質問例、困ったときの窓口を案内に書きます。
- 少人数で使い、直す。 迷った箇所、誤った回答、利用量を確認します。教材を変えたらAI側にも反映し、同じ質問を再確認します。
AIチャットつくーるでは、1つのAIと初回おためし枠から始められます。無料・無制限ではありません。上の手順は試作の提案であり、特定人数・回数が無料枠で収まるという保証ではありません。自分の教材と質問で、回答と利用量を確認してください。
既存のGPTs・Gemから移すなら、設計と質問も持ち運ぶ
移行前に、自分が管理する指示、最新版の教材、確認用の質問、利用者への案内を揃えます。元の環境のツール名や接続先に依存する指示は、そのまま貼る前に読み直します。僕の業務可視化GPTに古い前提が残っていた経験は、この確認にもつながります。
旧AIと同じ質問を新AIにも送り、教材に沿うか、範囲外の回答を作らないか、受講生が次へ進めるかを比べます。同じ指示でも回答は変わるため、自動で完全移行できるとは考えません。合うことを確認してから案内先を変え、利用中の旧AIを急いで削除しないようにします。
指示と教材を持ち運べるようにしておけば、次に環境が変わっても、講座で達成したいことから選び直せます。

