GPTsやGemにファイルを渡しても、期待する答えが出ないことがあります。そのときは、指示を増やす前に「ファイルを受け取れたか」「文字を読めるか」「質問に必要な情報が資料にあるか」を分けて確認しましょう。
この記事は、教材や業務資料を専用AIへ渡す前の整理方法を扱います。GPTs・Gemそれぞれの対応形式や容量上限を共通とは扱いません。アップロードする際は、利用中の画面の案内を確認してください。
教材を追加したら、質問に答えるAIにも反映する
僕は2026年7月と8月のDiscord投稿で、講座の更新に合わせて、会員向けの質問対応AIの資料も更新したと報告しました。
この運用では、講座に教材が増えることと、AIがその内容を参照できることを別々に確認します。会員サイトへ新しいレッスンを置いただけで、別の場所に登録したAIの資料まで更新されたとは判断できないからです。
ここから、講座運営では「ファイルを何個入れられるか」に加えて、「どの教材の、どの版を入れたか」を残すことを提案します。次は今回の説明用に作った記録例で、実際の会員向けAIのファイル構成ではありません。
| 教材の変更 | AI側で行うこと | 確認する質問 |
|---|---|---|
| 第2章の説明を追加 | 新しい章の資料を登録する | 追加した概念を説明できるか |
| 手順の前提を変更 | 旧版と指示の両方を見直す | 古い手順を案内しないか |
| 対象外の内容を明確化 | 答える範囲を更新する | 範囲外だと伝えられるか |
上の投稿は更新した事実の記録です。現在の登録状態や、すべての質問への正確性を確認した結果とは区別してください。
ナレッジは「答えの根拠にしたい資料」
ここでいうナレッジは、AIが質問へ答える際の根拠にしたい資料です。指示が「どう答えるか」を決めるのに対し、教材や手順書は「何を根拠にするか」の材料になります。
Gemには、追加の情報としてファイルを使う公式案内があります。Driveのファイルを利用する場合は、接続やアクセスの条件も確認してください。Google公式:Gemを使用する
ファイルを追加できたことだけで、すべての質問に正しく答えられるとは限りません。資料に答えがある質問を使って、参照の結果を確かめます。
PDFを読めないときは、文字を取り出せるか確認
まずPDFを開き、本文の一部を選択・コピーして、メモへ貼り付けてみます。文字を選べない、貼り付けた文字が崩れる場合は、画像として保存されたページや文字情報の問題を調べる手がかりになります。これだけで原因を確定する検査ではありません。
スキャン資料なら、OCRで文字を取り出す工程を検討します。その後、数字、固有名詞、表の行列を原本と照合してください。OCRの結果を未確認のまま教材の正本にしないことが大切です。
複雑な段組みや表は、読む順序を確認します。文章が別の列と混ざっていたら、必要な箇所を見出し付きのテキストに整理し直す方が扱いやすい場合があります。
資料は、見出しと更新日を揃える
次は、教材を整理するときの独自のひな形です。原本にない内容は足さず、参照先を残します。
# 教材名
更新日:YYYY-MM-DD
対象:この資料を読む人
元資料:ファイル名と該当ページ
## 用語の説明
用語:
教材での定義:
説明に使える例:
## よくある質問
質問:
教材に基づく回答:
参照する見出し・ページ:
## この資料では扱わないこと
範囲外の内容と確認先:
更新日が違う資料を一緒に入れると、どちらを採用すべきかが曖昧になります。旧版を残す必要がある場合は、過去の記録であることと適用期間を明記します。
この整理は、教材の質問対応だけでなく、社内マニュアルや自分の仕事の記録をAIに使ってもらうときにも役立ちます。自分の資料で実践できるようになりたい方は、AI Crewで、AIが使える形にナレッジを整え、更新していく方法を学べます。
ファイルを読み込めない場合の切り分け
失敗する場所によって、対処を変えます。
| 止まる場所 | 確認すること |
|---|---|
| 追加するとき | 現在の対応形式・サイズ・個数の案内 |
| 読み取りの処理中 | エラー文、ファイル破損、文字の取り出し |
| 資料を使った回答 | 根拠の場所、旧版の混在、質問の具体性 |
| 共有相手の利用時 | Gem本体とファイルそれぞれのアクセス権 |
原因を調べる際は、公開してよい短い資料を一つ用意し、同じ方法で追加してみます。短い資料でも失敗するのか、特定のPDFだけ失敗するのかが分かれば、問い合わせの対象を絞れます。
AIチャットつくーるで使う場合の対応範囲
AIチャットつくーるは、テキストを含むPDF、DOCX、TXT、Markdownに対応しています。1ファイル10MB、1つのAIにつき20ファイルが上限です。スキャン画像のOCR、動画、Excelの直接取り込みは対応範囲に含めていません。これは当サービスの仕様であり、GPTsやGemの上限ではありません。
詳しい準備方法と整理用のひな形は、ナレッジのつくり方にまとめています。
最後は、根拠のある質問とない質問を試す
資料に正解がある質問を送り、参照した見出しと回答が合っているかを読みます。次に、資料にない質問を送り、未確認だと伝えられるかを確かめます。
例えば、教材の使い方は書いてあるが次期講座の料金は書いていない資料なら、その二つを質問します。料金を作ってしまう場合は、指示テンプレートの「根拠を確認できないとき」の方針も調整してください。
共有する予定なら、資料そのものを相手へ見せてよいかも確認します。Gemの共有ガイドでは、指示とファイルの見え方を説明しています。

